私の職歴⑳ ~クルーズ専門旅行会社へ~

クルーズ販売開始!


2008年1月の初クルーズ乗船後、全てがクルーズ一色。
販売するにあたり、右も左も分かりません。
どこで仕入れて、どのように販売するのか。

まずは、ホームページを立ち上げべく、デザイナーさんと知り合い、
綺麗なホームページを作っていただきました。

ホームページオープンの2週間後、
東京のお客様からお問合せいただき、即決定!!

それまで、地域のお客様、遠くても関西のお客様しか、
お取引することがなかったのですが、
日本全国、海外移住の日本人のお客様からも、
お問合せをいただくようになりました。
ホームページ、インターネットの凄さを初めて実感しました。

インターネット以外にも、パンフレットを3万部を業者に作成。

朝5時からのポスティング。
駅前でパンフレット配り。
パンフレットと別にその時期に合わせたおすすめのコース・代金を添えて配布しました。

印刷して織り込みの作業。これがかなりの労力と金額です。
初めは、カラーで印刷してましたが、トナーが1週間ももたなく、
トナーをそのたびに購入しましたが高く、予想以上になくなるのが早い。
その後、白黒にしました。
それをパンフレットと3つ折りに。
これがかなりの労力。一日配る分を折るのが2時間。
広告代理店にお願いした方が能率が良く、安くついたと思います。
その道で生計を立てているプロにお任せすべきでした。

3万部配って決定したのが3件。

新聞広告も行いました。
何回か出しましたが、お問合せはいずれも皆無!!

ポスティング、駅前の配布、新聞広告、効果がありません。
一番効率が良いのは、私のお客さんに提案すること。
これが一番確実に取れます。
そこからご紹介していただき営業に行く以前と全く変わらないやり方です。

それ以外は、ホームページです。
本当にありがたく、全国からお問合せをいただきます。

あくまでホームページは窓口。
ホームページからのお客様も一回だけでなく、
さらにはクルーズだけでなく、旅行に行くなら、ビガー・トラベル・サービスに。

クルーズだけではなく、全て取り扱うので、
空港チェックインから、ホテル、送迎、
クルーズの楽しみ方、帰国まで、
安心して楽しんでいただけるように、全力で挑んでいます。
「想像を以上の満足を」が私の使命です。

丁度その頃、リーマンショックで、団体旅行、会社の社員旅行が中止。
クルーズ以外の仕事殆どがなくなりました。

クルーズは個人旅行なので、殆どキャンセルはなかったです。

クルーズの仕事も徐々に増え、それまでの団体旅行も徐々に復活した頃、
2011年3月11日 東日本大震災。

こちら関西でも自粛ムードになり、一般の旅行は全てキャンセル。
この時もクルーズは、キャンセルになりませんでした。

こういう時だからこそ、被害のない西日本では、
元気にバンバン日本全国にお金を回すべきです。
一緒になって自粛してては、沈んだままで立ち上がれません。

旅行は、生活に直結しないので、最後の最後です。
半年間は、新規予約がありませんでした。

私の職歴⑲ ~クルーズとの出会い~

クルーズは違う世界のもの


私はずっと旅行業ですが、
クルーズのイメージは、世界一周。一部の成功者の為の旅行。
長い、高い、退屈。
私には無関係と勝手に思い込んでました。

ある日、本屋でアジアクルーズが5万円の書籍を見つけました。
読んでいるうちにワクワク・ドキドキ。
計算したら、クルーズ、AIR、ホテル入れても10万円ちょっと。
これだったら、行ける!
何事も実際に体験しないと分からない。

初めてのクルーズ乗船


その数ヶ月後、初めてのクルーズ乗船。
シンガポール発着 マレーシア・ショートクルーズ 

ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
レジェンド・オブ・ザ・シーズ 7万トンクラス

クルーズは、4泊。
シンガポールを出港して、マレーシア・ペナン島、ポートクランに行くコース。
クルーズだけなら面白くないので、クルーズ乗船前のシンガポールで1泊。
クルーズ乗船後に、バリ島で2泊。

キャビンは、断然バルコニー付き。
さほど変わらなかったので、Jr.スイートを手配。

関西空港から直行便であっという間にシンガポール。
夕方、シンガポールに到着し、ホテルはチャイナタウン地区。
ホーカーズ(屋台街)で、B級グルメを堪能し、
セントーサ島で光のショー。クラークキーの川沿いをブラブラ散策。

いよいよ翌日、シンガポール・シティセンターからクルーズ乗船。
ロイヤル・カリビアン・インターナショナル初めてクルーズ船を目の当たりにして、想像以上に大きく、ただただ驚きました。
動くホテルとはこの事です。
我慢できず、走って乗船手続きをしました。

ワクワクする高揚感。
乗船前は、今でも変わりません。
この感覚は、クルーズならではです。

乗船したら、吹き抜けのアトリウム。
明るい開放的な雰囲気。
船内に居るとは思えません。

そして、キャビンへ。
目の前に海。
バルコニーからは海を独占。
船は天井が低いイメージですが、全然そんな事無く、ホテルそのものです。
Jr.スイート以上には、バスタブがあるので、ゆったりと入浴。 そして、レストランへ。
食事・ルームサービスは、クルーズ代に含まれる。
メインレストランでは、前菜、サラダ、スープ、メイン、デザートが、
決まっているものだと思ったら、数種類から選ぶことができる。
食べれるのであれば、いくつ注文しても良い。

頼みました!
食べまくりました。
また美味しいのです!

食後にシアターへ。
毎晩ショーが行われてます。
シアターは、ショーも設備も本格的。
これを毎日観れるの!?と、感動しました。

ショーを鑑賞後は、カジノ。
その後、満腹でしたが、ビュッフェレストランで、
軽食をいただきました。

いたるところにバーがあり、
静かな雰囲気のシガーバー、ショーを観ながら、ディスコなど、選択が多い。
キャビンに戻ると、バルコニーで夜風に吹かれながら、
満点の星を鑑賞。

これだけ動いても、まだ船内は一部しか行ってない。
何なんだ。クルーズ!!
楽しすぎるぞクルーズ!!

翌日、目覚めると、マレーシア・ペナン島に寄港。
下船してその街を楽しむのも、船内でゆっくりするのも自由。
出港時間に遅れなければ、その時の気分で風まかせ。

出入審査、税関等は、クルーズ会社が事前に行っているので、
船の出入り口で、カードをかざすだけで乗下船できるのです。
だから、審査で並ぶ必要なし。

ぶらっとペナンの街を散策し、お腹がすいたら、
船に戻り、昼食をとる。
また、外に遊びに行くということもできるのです。

昼食は、船内でハンバーガー。
映画でみるような、でっかい本場アメリカのハンバーガー。
ナイフ・フォークでいただきます。
うまい!!ホットドックも食べよう。

船内では動き回り、寄港したら動き回り。
歩きすぎ、足に豆ができました。
その中に二重に豆ができたのは、初めての経験です。

下船前夜のメインレストランでは、ウェイター全員による、
歌の合唱。お別れの挨拶。

シアターでは、キャプテンをはじめ、クルーによるお別れの挨拶。

4泊のショートクルーズは、あっという間でした。
明朝、降りるとなると何とも言えない寂しい気持ちに。

下船前夜、バルコニーで、海を眺めながら思いました。
こんな素晴らしいものを、何で今まで知らなかったのだろう。
今まで何をやってきたのだろう。

クルーズは物語。起承転結。

乗船前の高揚感。
クルーズ中は、自分の好きなように過ごし、
人(クルー、乗客)との交流。
下船前夜のなんとも言えない寂しい気持ち。

クルーズ乗船前は、良いものだと思ってましたが、
そんなレベルではない位、衝撃を受け、涙が出るほどでした。

旅行業をやっていて、お客さんに喜こんでいただくにはどうしたらよいか。
いつもずっと考えてました。
今まで、お客さんのご要望で企画して、出来上がったものを提供していただけでは。

シンガポールに戻り、クルーズ下船後、
もうひとつの楽しみであったバリ島。
奮発して、リッツカールトン(現アヤナ・リゾート)に宿泊。

バリ島でも、クルーズから頭が離れない。
バリが完全に色褪せました。

クルーズの金額は、通常の海外旅行に行くよりも、お手軽に行くことができ、
お金の心配なく、思いっきり贅沢ができる。
一部の成功者だけのものではない、誰でも乗ることができる。

私はこれでやっていく!!
クルーズ初乗船は、私の人生を変えた出来事でした。
バリ島

私の職歴⑱ ~ピンチはチャンス~

トラブル発生


開業後、お客様もご紹介いただいて、業績も順調で年々右肩上がり。
開業して3年。そんな時、事件は起こりました。

お客様からご紹介いただいた会社で、かなり業績が良く、年に2回社員旅行。
うち1回は海外で、1回の旅行で大台越えの売上。
上得意のお客様です。

幹部のでラスベガス旅行前夜の23:00。
ロングフライトに備え、お客様全員のエアー枕をドンキホーテに買いに行ってました。
購入後、車を出そうとした時、1本の電話。
表示には明日からラスベガスに行く会社の社長。
「パスポート切れてるぞ!!」
確認したら、一人のお客様のパスポート残存が切れてました。

現在、23:00過ぎ。
出発は朝一。どうすることもできません。
もう謝るしかありません。

社長は、大事な社員を一人置いていくことはできない。
行くなということだ。
と、全面キャンセルになりました。

朝一、お客様の会社玄関で、一人ひとり謝罪をしに行きました。
結局、社長はその日、出社されませんでした。

当日のキャンセル料50%。
これを全部持つことになったら、完全に潰れます。
かといって、私が逃げたら、返って逆鱗に触れ、
これから商売できなくなります。

腹を括り、すぐには払えないので、毎月こちらが支払える分だけお願いします。
と、お願いに行きました。

社長とやっと会うことができ、
「キャンセルしたのは、こちらの勝手だから、あなたが支払うことはない。」

弊社スタッフには、ここが人生のポイント。
今回のミスをしっかり検証して、チャンスに変えよう。
何年かかろうが、また取ろう。

ピンチはチャンス。
その時、ずっと自分に言い聞かせ。
失敗したら、挽回するしかない。

あれから12年、毎年お伺いしてますが、お仕事はいただけません。

本当に申し訳なく、今も胸が痛みます。

私の宝物


違う会社になりますが、
ある日、社員旅行の添乗で、朝、出発前にお客様の旅行冊子を見たら、
こんな冊子を作っていただいてました。

嬉しくて嬉しくて、出発前に涙が溢れてしまいました。
これが私の大事な宝物です。
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私の職歴⑮ ~カンボジアから日本へ帰国~

帰国を決断


私自身には直接はなかったのですが、ずっと脅迫があったのは知ってました。
プノンペン本社の三浦社長へ、毎日のように脅迫の電話。
何も気にすることはないと、言ってましたが、
ある日、その標的が三浦社長の子供に。

子供の誘拐の脅迫。
私だけだったら、なんてことないのですが、
子供を出されたら、参ってしまいます。
もう疲れました。

私が辞めれば解決することです。

2002年3月31日退社しました。

完全に私の失敗です。負けました。
一部のカンボジア人との軋轢。そのたちの動かし方。

善い行いと信じて行動しても、結果がこうなれば負けを認めないといけません。

幸せとは


日本NGOの人権団体が、一年に一回、ある村の支援に団体で訪れます。
貧しい村に学校をたてて、物資を送り支援する団体。
日本の大手旅行会社からの手配で我社で行ってました。

ある日、その村の子供たちがアプサラダンスをするので、
昼食を団体で取る代わりに舞台を貸してほしいと交渉しました。
当日、そのレストランには一般のお客さんも利用してました。

私は、お騒がせしてご迷惑をおかけします。
と、他の一般の客に言いまわってたら、
その団体の一人のマダムが、
「この子たちは貧乏で、その子たちが一生懸命に練習してきたの。
 あなたボケっとしてないで、この子たちの為、
 見てる人たちにお金をもらってきなさい。」

私はその場から、そっと逃げました。
するとそのマダムがしつこく追いかけてきて、
「なにしてるの!!早くやりなさい!!」
と、鬼の様な形相でまくしたてられました。

すみません。私にはできません。
「あなたクビ!!」
「もうあなたの会社は利用しない!!」

偽善行為は、やりたい人がやればいいと思います。
それは否定はしません。
ただ、人に押し付けることは、私は拒否をします。

その方からみれば、貧乏なだけ。
幸せ、不幸は自分自身が思うことです。

私から見れば、何もストレスもなく、
食べるものは、年中温暖な地なので、そこら中に果物等あるので、
寒さで凍死することもありません。
その村の人たちの方が幸せに見えます。

よく日本の報道で、学校オープンばかりが、
クローズアップされてますが、
建物が過多になり、教師が不足してただの箱になっていることもあります。
そういう報道はどこもしませんし、
本当に必要な地道に人を育てることは、絵にならなく、感動を売りにできにくい。
派手に建てたその企業なりが、社会還元という売名になり、
絵になり、感動を売りにできやすい。

私も善い行いと信じて、押し付けていたのです。
ただ、今あの時に戻れても、
全く同じ行動をとっていると断言できます。

今回、カンボジアでは、失敗もあり、挫折しましたが、
立て直して、もう一度挑戦しようと決意しました。

チャンヤには、必ず戻ってくる。
一緒にやろうと、約束しました。

あれから16年たった今、カンボジアには戻れてない。
チャンヤとの約束がまだ実現してません。
今も、思うたびに胸が痛くなります。

退社の日、送別会を開いていただきました。
カンボジア人の酒は楽しく、笑い声ばかりになりますが、
チャンヤは怒っていて、今日は楽しもうと言ったら、
「なんで正しいことをやってきたのに、辞める羽目になった。
 みんな分かってない。よく騒げるな。」

一人でも、心から信用できる人と知り合った。
この人の為ならと今でも変わりません。
それだけでもカンボジアに来た意味がありました。

2-3日滞在して、シェムリアップを離れました。
まだアンコールワットを写真で撮ってない。
急いで離れる前日、アンコールワットで写真を撮りました。

アンコールワット