私自身には直接はなかったのですが、ずっと脅迫があったのは知ってました。
プノンペン本社の三浦社長へ、毎日のように脅迫の電話。
何も気にすることはないと、言ってましたが、
ある日、その標的が三浦社長の子供に。
子供の誘拐の脅迫。
私だけだったら、なんてことないのですが、
子供を出されたら、参ってしまいます。
もう疲れました。
私が辞めれば解決することです。
2002年3月31日退社しました。
完全に私の失敗です。負けました。
一部のカンボジア人との軋轢。そのたちの動かし方。
善い行いと信じて行動しても、結果がこうなれば負けを認めないといけません。
日本NGOの人権団体が、一年に一回、ある村の支援に団体で訪れます。
貧しい村に学校をたてて、物資を送り支援する団体。
日本の大手旅行会社からの手配で我社で行ってました。
ある日、その村の子供たちがアプサラダンスをするので、
昼食を団体で取る代わりに舞台を貸してほしいと交渉しました。
当日、そのレストランには一般のお客さんも利用してました。
私は、お騒がせしてご迷惑をおかけします。
と、他の一般の客に言いまわってたら、
その団体の一人のマダムが、
「この子たちは貧乏で、その子たちが一生懸命に練習してきたの。
あなたボケっとしてないで、この子たちの為、
見てる人たちにお金をもらってきなさい。」
私はその場から、そっと逃げました。
するとそのマダムがしつこく追いかけてきて、
「なにしてるの!!早くやりなさい!!」
と、鬼の様な形相でまくしたてられました。
すみません。私にはできません。
「あなたクビ!!」
「もうあなたの会社は利用しない!!」
偽善行為は、やりたい人がやればいいと思います。
それは否定はしません。
ただ、人に押し付けることは、私は拒否をします。
その方からみれば、貧乏なだけ。
幸せ、不幸は自分自身が思うことです。
私から見れば、何もストレスもなく、
食べるものは、年中温暖な地なので、そこら中に果物等あるので、
寒さで凍死することもありません。
その村の人たちの方が幸せに見えます。
よく日本の報道で、学校オープンばかりが、
クローズアップされてますが、
建物が過多になり、教師が不足してただの箱になっていることもあります。
そういう報道はどこもしませんし、
本当に必要な地道に人を育てることは、絵にならなく、感動を売りにできにくい。
派手に建てたその企業なりが、社会還元という売名になり、
絵になり、感動を売りにできやすい。
私も善い行いと信じて、押し付けていたのです。
ただ、今あの時に戻れても、
全く同じ行動をとっていると断言できます。
今回、カンボジアでは、失敗もあり、挫折しましたが、
立て直して、もう一度挑戦しようと決意しました。
チャンヤには、必ず戻ってくる。
一緒にやろうと、約束しました。
あれから16年たった今、カンボジアには戻れてない。
チャンヤとの約束がまだ実現してません。
今も、思うたびに胸が痛くなります。
カンボジア人の酒は楽しく、笑い声ばかりになりますが、
チャンヤは怒っていて、今日は楽しもうと言ったら、
「なんで正しいことをやってきたのに、辞める羽目になった。
みんな分かってない。よく騒げるな。」
一人でも、心から信用できる人と知り合った。
この人の為ならと今でも変わりません。
それだけでもカンボジアに来た意味がありました。
2-3日滞在して、シェムリアップを離れました。
まだアンコールワットを写真で撮ってない。
急いで離れる前日、アンコールワットで写真を撮りました。