私は幼少の頃から健康そのもので、病院に行ったことがない。
母子家庭ということもあり、病院の治療費は無料。
 それが嫌だったせいか、病院とは無縁でした。
唯一、手術というべきか、20歳前後のある日、局部にイボが数個。
 翌日には、それが大きくなり、新たに数個でき、
 その翌日にはさら大きく、新たに数個。
 まるでカリフラワー。
病院に行き、すぐに局部に麻酔注射で、レザーで焼き切り完治。
 その時の麻酔注射のトラウマがあって、いまだに注射は苦手。
 病気?は、それ位で、身体は健康そのもの。
その頃、おならをしたら、生ぬるいものが。
 もらした!と、確認したら、パンツが真っ赤になる血便。
 それ以来、体調が悪くなれば、血便がでました。
 トイレでは、ワインレッドのような綺麗なもの。
 周りに聞いたら、痔なので心配しなくてよいとのこと。
あれから28年。
 一度も病院で検査はしてません。
お客さんで大腸ガン患者がおり、血便の事を話したら、
 早期発見だったら、その場で簡単に切ることができるのですぐに検査すべし。
 と、アドバイスに従い、昨日、大腸内視鏡検査へ。
正直、自分では、30年近くも血便がでてるのに、ほったらかしなので、
 相当悪いと思ってました。
昨日、朝からの雨で、病院の駐車場が混み合い、
 駐車場前には5台が並んでいます。
 その時点で予約10:00の5分前。
 電話して状況を伝えました。
 この時点で、車で来たことがばれてしまいました。
鎮痛薬を利用するので、車では絶対に来ないように言われてました。
 家族が迎えにくるので、大丈夫と、言い張っても、飲酒運転と同じなので絶対ダメ。
 結局、鎮痛剤なしとなりました。
まずは、下剤で便を出し切り、3回目の便を看護師さん見せます。
 1の個体状態~4の完全水分になるまで、便を出しきります。
 4の完全水分でないと内視鏡が入らない為。
1リットルの下剤を1時間かけて飲みます。
 その後、500mlの水を30分かけて飲み出し切ります。
その飲んでいる時に、同じテーブルで対象的なお2人と出会いました。
 お2人とも70歳前後の男性で、お互いにお話しされてるので、友人だと思ってました。
 (たまたま横同士)
横の方が、宇津井健似で、ジーンズにポロシャツ、スニーカーの、
 検査なので、決して高価なものでなく、ダイエーの安売りファッションですが、
 しかし腕にはロレックス。
 姿勢が良く、若々しく、礼儀正しい。
もう一人は、革靴で、ポロシャツ、スラックスの老人ファッション。
 姿勢が悪く、くたびれ感は否めません。
 同年代ですが、全てが違い対象的。
1リットルを60分かけて飲むと説明に、
 老人は理解できなく、看護師にペースが速すぎると、注意されてました。
 健さんが、60分を4で割って15分ごとに250mlの線を飲んだらよいと、
 的確なアドバイスに、さすがと心の中でうなりました。
便に行く度に、自分で記入します。
 時間と1~4の番号。
 健さんは、順調に便が出て、3、3、3、4、4と、
 1時間半でクリアになりました。
老人の方は、なかなか便がでません。
 焦っている老人に健さんは、
 「なんでも人生と同じ。のんびりゆっくりいこうや!」
健さんのこの言葉に感動しました。
 なんて素晴らしい方だろう!なんて魅力的な人だろう!!
老人は、45分経ち始めての便。
 要領を理解していないので、1回目の便で看護師を呼び、
 結局、全ての便を看護師に見せて、全て看護師が時間番号を記入。
1時間経ち、健さんは水を購入し、30分かけて500ml飲み、
 スムーズに数回目の4番を記入。
 検査OKがでました。
老人は、1時間経ち、水を1.5リットルを2本購入。
 薬が入っていたプラチックコップにご丁寧に少しずつ入れて飲んでました。
 30分たった後も、社会の窓を全開に飲み切らない水をさらに購入しに行き、
 看護師に、それ以上飲まないでと、注意されてました。
私の方は、30分経っても全く出る気配はありません。
 どうなっているのだろうと思っていたら、
 急にトイレに行きたくなり、3回目で4番になりました。
 これで検査OKとなると思ったら、それから3回、4番を確認され、ようやく検査OKに。
車に乗って来た為、鎮痛剤が使えなくなり、かなりビビりました。
お尻部分が切れている紙パンツに履き替え、出血止めの点滴。
 昔のトラウマが今でもあり、
 この注射が、肛門からの内視鏡より、怖く辛かった。
いよいよ診察室へ。
 男性の先生と、女性の看護師。
 横には32型モニターがあり、自分の大腸内をリアルに見ることができます。
 今、どこに来ているか、あとどの位で奥まで達するかを教えてくれます。
 約10分、特に痛みはなく奥まで挿入。
 もう痛みはないとわかったら、リラックスタイム。
冷静に自分の大腸を観察し、真っ黒なものとおもいきや、
 なんて綺麗な大腸なのだろうと感心しました。
 見るだけでご飯3杯いけそうな、美味しそうなテッチャンではないか。
途中、1つポリープがあり、その場で摘出。
 切除し、クリップを3か所留め。
 あっという間の30分。何にも痛みはありません。
そのポリープが良性か悪性かなどの検査結果を
 来週の火曜日に聞きに行きます。
検査が終わり、健さんは、ポリープが4つ見つかり切除。
 点滴を受けていました。
老人は、ポリープ一つもなく、点滴を受けることもなく終了。
 着替えてお気をつけてお帰りくださいと、看護師。
 紙パンツを一人で着替えることができなかったみたいで、
 看護師が気を利かして、待合室にいる奥様に声をかけて呼んできてました。
 「○○さんのご親族の方、いらっしゃいますか~!!」
 待合室では、何か事故があったのだろうと想像したに違いありません。
入ってきた奥さんは若々しく、60代半ばに見えました。
 老人は健さんより歳下だと思います。
やはり!!
 その方は決して呆けているのなく、老けているのです。
 何でも人に依存していたら、自分では何もできなくなり、
 全てにおいて自主性、自信がなくなるような気がします。
私も気を付けよう。
 私は一人暮らしが長く、何でも自分でやってましたが、
 結婚してから、やってもらうのが当たり前になる依存癖がついて、
 自分でできなくなっているのが分かります。
 だんだんエスカレートしたら、こちらの老人のようになる可能性があります。
対して健さんは、一挙手一投足かっこいい。
 点滴受けている時も、横に人が来たら気配り。
 周りが気分よくなります。
 また、健さんはローレックスがよく似合う。
商人にとってロレックスは最高の武器といいます。
 ローレックスをして、お客様の為に一生懸命に対応する。
私も健さんを目指します。
 
  
  
 



 
  
 
 
 
 
 

 
 
