世界の「パスポート格差」が過去最大に

移動の自由度が示す、国と国のあいだの現実

海外旅行やクルーズを検討する際、実は大きな差となって表れるのが「パスポートの力」です。

最新の調査によると、
ビザなしで渡航できる国・地域の数には、かつてないほど大きな開きが生じており、
国によって移動の自由度に明確な二極化が進んでいることが分かってきました。

Henley & Partners が公表した「Henley Passport Index 2026」で明確に示されています。

渡航できる国の数で見える「移動の自由」

このランキングは、各国のパスポートで 事前のビザ手続きなしに入国できる目的地の数をもとに、
移動のしやすさを数値化したものです。

上位国は選択肢が非常に多い一方、下位国では海外渡航そのものが高いハードルとなり、
国際的な孤立が進んでいる状況も浮き彫りになっています。

上位国と最下位国、その差は168か国

最新の結果では、最も多くの国・地域へビザなしで渡航できる国は 192か所。
一方、最も制限が厳しい国では 24か所にとどまりました。

その差は 168か所。
20年前と比べても、移動の自由度の格差は明らかに拡大しています。

日本は引き続き世界トップクラス

日本のパスポートは、韓国と並び 188か国・地域へビザなし渡航が可能とされ、
世界でも最上位グループに位置しています。

ヨーロッパ諸国が引き続き上位を占める一方で、
中東やオセアニア、アジアの一部の国々も存在感を高めており、
地域バランスには変化も見られます。

順位を下げる国、伸ばす国

興味深いのは、かつて上位常連だった国の中に、
長期的に順位を下げている国がある一方で、外交政策やビザ制度の見直しを進めた国が、
大きく順位を伸ばしている点です。

特に中東や東欧の一部では、積極的なビザ自由化が移動の自由度を押し上げる結果につながっています。

「出国の自由」と「入国の開放性」は別問題

また別の視点では、自国民が海外へ出やすい国と、
外国人を受け入れやすい国は必ずしも一致しないことも示されています。

出国は自由でも、入国に対しては慎重な国もあれば、その逆のケースもあり、
国境政策の姿勢が数字として表れる時代になってきています。

旅をする立場として感じること

クルーズや海外旅行を日常的に考える立場から見ると、このランキングは単なる順位表ではなく、
どれだけ自由に旅を計画できるか
突然の航路変更や寄港地追加に対応できるか
といった 現実的な旅の自由度に直結する指標でもあります。

上位10か国・地域
1位(192):シンガポール
2位(188):日本、韓国
3位(186):デンマーク、ルクセンブルク、スペイン、スウェーデン、スイス
4位(185):オーストリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ ほか
5位(184):ハンガリー、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、アラブ首長国連邦
6位(183):ニュージーランド、ポーランド ほか
7位(182):オーストラリア、英国 ほか
8位(181):カナダ ほか
9位(180):マレーシア
10位(179):アメリカ

日本のパスポートが高い評価を維持している今こそ、
「行けるうちに行く」「選択肢が多いうちに動く」という考え方も、大切になってきそうです。