私の職歴㉙ ~ 再出航の時から3年 ~

やっと今年から流れが変わった
このブログでの「私の職歴㉘~出航の時~」を最後に書いたのが2021年11月。
もう3年の月日が経ちます。

その後、2023年5月に新型コロナウイルスが2類相当から5類になりましたが、
まだまだ旅行は戻っていなく、2023年の売り上げはコロナ前の1/4もいきませんでした。

このまま仕事が戻ってこないんじゃないかと、
コロナ後も不安な毎日の中、今できる事を精一杯やるしかない。

今年2024年に入り、旅行の予約が入りはじめ、コロナ前に戻ったように思えます。
ありがたい事に、毎日どんどん予約が入ってきだしました。

仕事があるということは、社会的に信用があり、認められるという事。
嬉しくありがたいく、何より幸せを感じます。

コロナでは、多額の借金だけが残り、これから10年かけての始まりです。
今年に入ってからの予約数の勢いが続けば、心配することはありません。
どんどん前進していきます。

顧客の移り変わり
先日、お客さんから海外航空券の予約がありました。
そのお客さんは、私がこの仕事をやり始めて、
飛び込みで取った大阪市内の食品会社の社長の息子さん。
初めてお世話になったのが、そこの会社の社員旅行。

完全歩合になり初めての仕事での添乗が3本連続で続きました。
初めての私の仕事なので、1本目から張り切りすぎて喉から高熱。
その時点でかなり調子が悪かったのですが、
旅行終了後に飲みに行こうと深夜まで付き合いました。
その頃は何も分からず、その位やらないと仕事は取れないと思っていたのでしょう。

寝ずに2本目の添乗へ。
もうその時点で目が回っていましたが、初めての仕事なので精一杯頑張りました。
帰りのバスの中で脂汗が噴き出し、意識が朦朧。
何度も倒れそうになりましたが堪え、2本目が無事に終了。
数年後、そのお客さんに「あの時は…」と話し、何も分からなかったのと事。

次の添乗まで1日、間があるので、何としてでも当日中に直さないといけない。
翌日、普段めったな事では行かない病院へ。
診断の結果、過労。相当ひどい状態ですぐに入院とのこと。

そのまま病院の公衆電話で、会社へ連絡。

私:「思ったよりひどく、すぐに入院して下さいとのことで、今から入院します。
 明日からの添乗を代わりにお願いします。」
(毎週末、添乗をアルバイトで激安で行かされていたので堂々と言いました)

社長:「自分のケツはケツは自分で拭け!」ガチャン!!
ものの3秒しない内に電話を切られました。

頭の神経線が何本かブチ切れましたが、これで吹っ切れました。
どんな状況でも、自分でできる。
自分でどんなことでもしてみせる。
腹を括った時です。

翌日から添乗に行き、お客様も喜んでいただき、無事終了しました。
添乗でのバスのテレビで天皇皇后両陛下結婚パレードを観ていたので、1993年6月09日です。
あれから31年が経ち、その時のお客様です。

このブログ「私の職歴」で書きました。「私の職歴①」

その食品会社は、毎年社員旅行でお世話になりましたが、約20年前に会社を解散しています。

今回、その時の社長(お母様)の息子さんから航空券の予約が連絡をいただき、
話の中で会長(お父様)が昨年12月にお亡くなりになったとお聞きしました。
享年94歳。

後日、手を合わせにご自宅へ。
以前よくお邪魔していましたが、かなりの広さの豪邸で、自宅エレベーターで3階へ。
3階フロア全てが自分専用の美術館。趣味で何千もの壺などの骨董品を展示。

建設業・不動産で財を成し、食品会社を奥様がやると同時に建設業を廃業。
食品会社を解散する時もスパっと決断。
驚くほどの潔さと決断力。

今回、社長(お母様)と久しぶりにお会いし、
会長に手をあわせ、お礼を言う事ができました。
商売のやり方、お金の増やし方についていろいろとお教えいただきました。

私がクルーズを初めた時、真っ先に「一番おすすめで行く」と、
オーシャニア・マリーナ 地中海クルーズをお申込み。
いつも私を応援していただきました。

社長は、「あなたなら絶対に大丈夫。若いんだから気張ってください」。
何回も仰っていただき、手をあわせに行ったのに、逆に元気づけられました。

振り返ったらお会いしてから31年。今でも応援していただいております。
現在、やり始めた頃のお客さんは、殆どが代替わり。

クルーズをメインに行っているので、疎遠になっているお客さんもいますが、
こうしてその時のお客様と繋がっているのは、私の誇りです。

今では殆どみなくなった集合写真。写真業者がどこにもいました。

在籍していた旅行会社の「自分のケツはケツは自分で拭け」社長のその後。
私がカンボジアから日本に帰ってきて約1年後、会社閉鎖。消息不明。

最後に話したのは「頼むから1万円でもいいから貸してくれ」