ポナン フランスのスモールラグジュアリークルーズ 船内レポート

スモールシップの素晴らしさ
以前、私はクルーズを始めた頃、大型船ほど良い客船だと思っていました。
大きければ大きい程、巨大客船=豪華客船のイメージ。
アトリウムに吹き抜け、広いレストラン、プールの周りには多数のデッキチェア、
巨大シアター、10万トンを超える大型客船、乗客数は5千人を超える客船も。

いろいろなクルーズを見るほど、大型船と小さな客船とでは、
同じクルーズといっても、全くコンセプトが違い、
違うものなのだという事が分かりました。

小型船 スモールシップ(1~5万トン)でのクルーズの設備は大小はありますが大型船と変わりません。
その設備を何人で利用するかになります。
大型船ではそれだけ乗客を乗せるので、どこに行っても混みあいます。
寄港地で下船したいと思っても3時間以上かかることも。
スモールシップでは下船したいと思ったらその場で下船できます。

船内の設備ではどこに行っても空いていて、ストレスは感じません。
また乗客とクルーの対比が全く違います。
例えばレストランでは、カジュアル大型船では、ウェイターはてんてこ舞いで、
乗客の食事の進み具合まで見ることはできません。
注文するのも一苦労で、注文して料理が出てくるまで30分はよくあります。

スモールシップの場合、料理も素材・レベルもさることながら、
ウェイターが食事の進み具合をよく見ています。
飲み物がなくなりそうになったら、ウェイターから声をかけていただきます。

そんなスモールシップのクルーズ代金は大型船と比べ3~10倍以上は高くなるイメージです。
比例して乗客層も変わってきます。
同じクルーズといっても全く違うものなのです。

ポナン ル・ジャック カルティエ 神戸寄港

ポナンは、2024年日本発着クルーズを多数コース設定しています。
今回は香港~神戸のクルーズ。
神戸で乗客が下船した後、船内をレポートします。

クルーズ会社ポナン
船 名ル ジャック カルティエ
シップデータ総トン数:9,900トン 全長:131m 全幅:18m 
船客定員:184名 クルー:118名 就航年:2020年

船内に入りロビーを抜けるとメインラウンジ。
神戸初寄港ということもあり、ラウンジでセレモニーが行われていました。

以前ポナンは、飲み物代が別途有料でしたが、
数年前から、レストラン、ラウンジなどでアルコールを含む飲み物は、
クルーズ代金に含まれました。

このラウンジで飲み物を注文したら、カナッペなどのおつまみも提供されました。
おつまみ一つをとっても、これが美味しいのです。

船尾に面するプールは、大海原への繋がりを体感できるインフィニティープール。
インフィニティプールの裏側はガラス。

船内はどこに行ってもスタイリッシュなデザインなのです。

そして、いたる所に寛げるスペースがあります。

レセプション前にはショップもあります。

デッキ1では、水中ラウンジ「ブルーアイ」。
幻想的な雰囲気で水中を眺めながら1杯。
ソファーと水中音が振動リンクされています。

今回は神戸港で水中は緑色ですが、南太平洋などでは、透き通った海に魚群も見れるとの事。

ポナンといえば美食として定評があります。
フランス船ならではのグルメ、新鮮で厳選された食材の数々。

ミシュランシェフ、アラン・デュカス氏の持つ「デュカス・コンセイル」の監修を受けた、
目にも麗しい芸術のような料理をご堪能いただけます。

デザートも一品一品凝っていて、かなりのレベルです。
今まで私が乗ったクルーズでは一番です。

ポナンのキャビン(客室)
世界の殆どの船会社での船籍はバハマ等が税金の関係で多いのですが、
ポナンは船籍も自国フランス。

嬉しいのは、バスルームとトイレが完全にセパレート。
これはフランスの建築基準法によるものだそうです。
ちなみに日本船のにっぽん丸、飛鳥Ⅱは日本船籍。

オーナーズ・スイート(45㎡・定員2名)
海側ベランダ付、バスタブ

デラックス・スイート(27㎡・定員3名)
海側ベランダ・シャワー

プレステージ・ステートルーム(19㎡・定員2名)
海側ベランダ・シャワー

キャビンも明るい色使いで、圧迫感は感じられません。
そしてスタイリッシュなデザインとライティングにもこだわりが感じられます。

ブリッジ(操舵室)
ブリッジのドアに「OPEN」看板がかかっている時は、
いつでも出入りすることができ、見学することができます。
これは大型客船ではできないことです。

パノラミック・ラウンジ
乗客定員が180名と乗客が少ない為、どこに行っても混みあうことがありません。
クルーズ中のラウンジでも、静かな雰囲気でゆっくりとした自分の時間を確保できます。

スパ
フランス生まれのスキンケアブランド・クラランスが手掛けるスパ。
マッサージ・トリートメント、ビューティーケアなど受けることができます。

サウナ
私はクルーズに限らず、ホテルでもサウナ選びが重要です。
クルーズ船も色々なサウナがあり、サウナ自体ない客船もあります。

サウナがあったとしても別途有料、人が多すぎて並ばないと入れない、
真っ暗で雰囲気が悪い、温度が上がらずクルーに何回言っても温度が上がらなかったり。

ポナンのサウナは素晴らしい。
広く清潔感があり、大海原を眺めながら入ることができます。
男女兼用、ロッカールームがないのでキャビンからバスローブを着ていきます。

フィットネス
全体的には小さくランニングマシーンは2台。
乗客数との対比で混みあうことなく利用できると思います。

ゾディアック
ポナンは南極、北極などの極地クルーズを得意として、
専門のエクスペディションチームが案内します。

港がな場所にゾディアックボートで上陸。
このル・ジャック カルティエには、10名乗りのゾディアック10隻用意。
別にテンダーボートも用意されています。

毎晩フレンチフルコースの美食とワインを楽しみ、
誰にも邪魔されない自分の時間と空間。

スモールシップはそれだけ代金は高くなりますが、
十分に、それ以上に見合った価値があります。

オーバーツーリーリズム問題で、ベニス発着はクルーズ船ではできなくなりましたが、
ポナンではベニス発着が可能で、ベニスを街並みを眺めながらクルージングができます。

一番のおすすめは南極クルーズ。
南極ではこのポナンが圧倒的に発着数が多く、南極に強い船会社なのです。
地球最後の秘境を美食のラグジュアリー客船で行くことができるのです。

ポナン 日本発着クルーズ
ポナン 南極クルーズ