まちこ先生のドナウからのらくがき⑦ ~ヴィディン~

元日系国際線客室乗務員。現在はマナー講師として全国で活躍中。

ドナウからのらくがき

voice_icon01 アマ・ウォーターウェイズ 2016年 8/20-29
  まちこ先生のドナウからのらくがき⑦ 8/26 ヴィディン


ブルガリアのヴィディンで迎えた朝、
今日訪れるのはベログラトチク要塞とババ.ビダ城です。

まず、ベログラトチク要塞を訪れました。
バスで1時間ちょっと、狭い道を縫うように山の中に進んでいきました。

そして降りてみると何と凄い!!! 凄い要塞砦です。
奇岩群や石灰岩のとてもユニークな自然の岩山で形成されまさに自然要塞なのです。

この要塞の歴史はローマ帝国の時代から始まるとの事。
門をくぐりドンドンと登っていきます。
高く上るにつれ麓の街並みが見えてきました。
それはそれはのどかな町並みです。

この要塞、私には大きな大きな2頭の像がこちらを向いて座っているように感じました。
この要塞は様々な伝説を生み出してきたのだそうです。

続いて、ババ.ビダ城を訪れました。
ブルガリアで最も規模が大きい中世のお城です。

門のなかに入り進んでいくと、視界にドナウ川とヴィディンの街並みが城壁の向こうに。
広いこの場所で王座を巡った権力争いのお芝居が披露されました。

シップに戻ったのは午後1時半頃でした。
ランチを頂きながら、アマセレーナは2時にヴィディンを出港しました。

貴族の娘ヴィダが生涯独身で守り続けたババ.ビダ城。

そのお城のあるこの街、ヴィディンをドナウの高貴な紫色の宝石、
タンザナイトとして思い出に残すことにいたしましょう。

クルージングもいよいよ終盤です。
今夜と明日のみとなりました。

船の中ではいろいろなイベントが企画されていました。
6時半からはフェアウェル、カクテルパーティです。

このパーティではアマセレーナの全クルーが紹介されました。
この時、Room makeのSilviaさんRandyさんなどの名前を覚えることができたのです。
皆さんの生き生きとした素敵な姿、カッコいい!!!

 7時からのディナーの後はDance the night(ダンスパーティ)です。
ディナーはオーストラリアからの母娘の方と一緒でした。
お母様はMarian、お嬢様はMariades。
オーストラリアのシドニーからでした。

我が家ではオーストラリアからの高校生のホームステイを何度か引き受けた事など、
日豪親善のお話に花が咲きました。

さて、ダンスタイムです。Myrian が Machiko と誘ってくれました。
二人でみんなで楽しくダンス!!!
こうして夜も更けクルーの皆さんと私たちのクルージングは
明日を残すのみとなってしまいました。

部屋に戻るとアンケート用紙とチップ用の袋が置いてありました。
アンケート用紙に、ほとんどExcelent(3つだけVery good)と記入しました。

こんなに素晴らしいクルーズを提供して下さっているのですから。
そして、チップの袋にも感謝の気持ちを入れさせて頂きました。

その時、Ama Waterways のロゴマークのある
25㎝四方のボックスに気が付きました。???
インフォメーションが入っているの???
と思いながら開けてみました。

何という事でしょう。
その箱の中にはターコイズブルーの美しいストールが入っていたのです。

えっえっえっ!!!。これってプレゼント???
直ぐにフロントに電話すると私へのプレゼントだとの事。

ドナウからのらくがき私は「凄く気に入りました。大切にします、ありがとう」とお礼を言いました。
感動です。感謝です。本当にありがとう、ありがとう。

明日の予定に目を通し、窓をめいっぱいに開けてドナウ川の風と空気を吸い込みました。
とうとうクルーズイングも明日のみとなったことが何だか、せつなくて…。


まちこ先生のドナウからのらくがき⑥ ~終日クルージング~

元日系国際線客室乗務員。現在はマナー講師として全国で活躍中。

ドナウからのらくがき

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  まちこ先生のドナウからのらくがき⑥ 8/25 終日クルージング


8月25日の今日は終日クルージング。
ドナウ川の美しい風景を楽しむ事ができました。
体調を崩した夫には部屋でゆっくりと休養できます。 胃腸の調子が悪い夫には、朝食とランチをルームサービスをして頂きました。
至れり尽くせりの優しいサービスです。

私のランチは幸運にもキャプテンHuek とチーフパーサーのAlxandoriaと
ご一緒に楽しませて頂きました。
とてもフレンドリーで気さくな方達です。

でも私の方は少々緊張していたのか何をお話したのか余りよく覚えていないのです。
クルーズィングを楽しんでいますかなどと言われ、もちろんですと答えたくらい…。

さて、私はデッキから、夫はお部屋から、
美しいドナウ川の岸辺の風景を楽しむ事ができました。
両岸の山々が川幅を最も狭くする場所にある、鉄の門
(セルビアとルーマニアの山脈が自然の国境となっている)、
ダキア王デケバルスの巨大な石造(ヨーロッパでもっとも高い岩の彫刻)
には圧巻でした。 ディナーは夫と一緒に頂くことができました。
皆さんが”Are you all right ?” としきりに心配してくださいます。

マイアミからのご夫妻、ミレミアムとダニエルの手招きで一緒の席になりました。
話題は健康管理。
タバコは良くない、飲みすぎは良くない、野菜が良い、
としきりに心配してのアドバイスです。

ミレミアムが夫の顔をようく見ながら、
モーガンフリーマンに似ていると言い出しました。

そして、あなたは俳優になりなさい、友人で俳優になった人がいる。
その人よりよっぽどあなたの方が良い。
みんなで大笑いです。
私もミレミアムとダニエルの写真を撮りあなた方こそ
俳優に向いているというと”Yes of course” とすんなり認め、またまた大笑いでした。

そのような間にアマセレーナはブルガリアのヴィディンに入港していました。

9時15分からブルガリアの子供たちによる民謡が披露されました。
一時間にわたって子供たちの歌と踊り、可愛かったですね。
終盤には乗客も加わって大きな輪になりみんなで掛け声をかけながらダンス。
もちろん私も。

夫の体調も良くなり、クルージングを心から楽しむ事ができました。

今日の一日をドナウの翡翠として記憶にとどめましょう。
ドナウ川その両岸、そして峡谷も濃い緑で美しかった!!!!

ドナウからのらくがき


まちこ先生のドナウからのらくがき④
ヴコヴァル~ノービサード

元日系国際線客室乗務員。現在はマナー講師として全国で活躍中。

ドナウからのらくがき

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  まちこ先生のドナウからのらくがき④ 8/23 ヴコヴァル~ノービサード


8月23日、目覚めると船はクロアチアのヴコヴァルに停泊していました。
ヴコヴァルの対岸はセルビアです。

午前中はヴコヴァルの町の見学。
この場所は戦争の恐ろしさと平和の尊さを教えてくれるところでした。

見学の前に、クロアチア紛争について少し。
クロアチアは「ユーゴスラヴィア」という連邦国家の一共和国でした。

ヴコヴァルではクロアチア人とセルビア人が仲睦まじく暮らしていました。
しかし、ユーゴ国内では1980年代から経済の悪化と同時に民族主義が高揚。

1991年、冷戦の終結と共にクロアチアがユーゴスラヴィアからの独立を宣言。
それを阻止するために、セルビア人を中心とする連邦軍が
ヴコヴァルを包囲し攻撃したのです。

このときに多くの人々が亡くなり、「隣人」が「敵」となったのです。
今でこそ戦争は終わりましたが、クロアチア人とセルビア人の「和解」は進んでいません。

バロック旧市街にはその紛争の傷跡が痛々しい。
クロアチア紛争のシンボルとなった「給水塔」。
物凄い砲撃、攻撃の傷跡に心が泣いてしまいます。

オフチャラ記念碑には、紛争で無くなった多くの若者の写真と遺品が祀られていました。
ヴコヴァル墓地も訪れました。
戦いで無くなった人々のお墓が無数に…。
しかし、ヴコヴァルの人々は凄い!!!

1997年に再び行政の機能を取り戻し亡命していた人々も帰還し。
今現在、一生懸命発展の努力をしているのです。

私はこの町ヴコヴァルを、ドナウのアメジスト(紛争)と
ドナウのペリドット(復興)の町と呼びたいと思いました。

さて、観光中に船はイロクに移動。私たちを乗せたバスはイロクに向かいます。
シップに戻るとフロントのAdamさんが、
笑顔で”Hallo again!” とチャーミングなウインクでお出迎え。
私も”Hi, Adam”と、たどたどしいウインクと笑顔でお返し。

この日のランチはレストランでフルコースを頂くことにしました。
テーブルのお友達はディックとマリー(アメリカ人)
美味しいコースを頂きながらお話しがはずみます。

ディックが How old do you think I am? (何歳に見える)と聞かれました。
65 66? と答えると72歳との事。
そこで私は、奥様は何歳あなたより何歳お若いの?
と聞きました(若くて美しい方ですから)。
すると She is 10 years older than I! (彼女は僕より10歳年上だよ)と。
つまり82歳!!! I wish I could be like you after 20 years.
(20年後の私は貴方のようであれるかしら?)と告げると、
もちろん旅は若さを保ちますよ、との答えが返ってきました。
20年後、私の目標はめざせMaryですね。

食事を頂いてるうちに船はノービサードに着きました。
まず迎えてくれたのは それはそれは大きなペトロヴァラディン要塞です。
(オスマントルコから街を守るために建設され、ドナウのジブラルタルとも
呼ばれていたこの要塞の地下には、深さ20m迷路のように広く長く続く
大規模な籠城戦、応戦の歴史跡がそのまま残されている)

食後はノービサードの街の徒歩観光(約2時間)です。
一言でいうなら、可愛らしくてエレガントなレディのような町でしょうか。

伝統と文化が豊かな都市。
人々はのんびりと穏やか。
ここはセルビアのアテネとも呼ばれていました。

歩きながら見えてくる建物の愛らしい事。
人々はアウトサイドのテーブルでカフェを楽しんでいます。
美しいマリア聖堂がある広場には気品が漂っていました。

何て素敵な街!!!!
パステルカラーの建物の美しいこの街を私はドナウのオパールと称えたいと思います。

ディナーの時間です。
飲み物はすべてフリードリンクですし、私は野菜だけのお食事が食べたい! と言えば
その希望も見事に叶えてくれるのです。
このシェフは凄い、そう思われませんか?

今日のテーブルはご年配のご婦人、お1人での席に加えて頂きました。
彼女はイギリス人。一人で旅行中との事。
推察するに90歳前後でしょうか。

彼女がおっしゃるには旅は年齢には関係ない。
Passion でするものなのだそうです。なるほど。
私も90歳で1人旅の世界旅行ができますでしょうか…。

色々と学んだステキな一日でした。
このような素晴らしい旅をさせて頂けることに心から感謝です。

食後はラウンジでSanderさんのピアノの音楽を楽しみました。
テネシーワルツのリクエストに応えてくれ、私も一緒に歌います。
ドナウ川のさざ波がハーモニーとして加わって。


まちこ先生のドナウからのらくがき③ ~モハーチ~

元日系国際線客室乗務員。現在はマナー講師として全国で活躍中。

ドナウからのらくがき

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  まちこ先生のドナウからのらくがき③ 8/22 モハーチ


朝、目覚めるとシップは私たちをモハーチまで運んでくれていました。
ここは一体どんな街なのでしょう?

人口2万人足らずのパステルカラーの家々が、愛らしく立ち並ぶ街並みが印象的でした。

この地域は魅力的な歴史、ローマ帝国オスマン帝国やモンゴル、
ハブスブルグ家の影響を受けた興味深い場所なのです。

朝食(バイキング形式だがどんなリクエスト料理にも対応)後、
フロントに集合し、昨夜の内に選んだツアーごとにバスに乗り込みます。

昨夜のクルーズマネージャーのJerenaさんのアドバイスに従い
チップとお土産を買う程度の小銭を持って。

それは災難を避ける為の大切な秘訣との事。
すべての見学でも心がけてほしいと言われました。

ツアーごとに色分けされているのでバスを間違えることはありません。
部屋で充電されたイヤーホンを持参します。

私は夫の体調に配慮し難易度1 の一番優しいコースを選びました。
9時に出発しバスで約一時間、ペーチ(モハーチより西側)に着きました。

猛暑の日本と違って小雨と風のせいで寒いくらい。
ここ、ペーチはローマ時代にはソピアネと呼ばれ
その初期のキリスト教の中心的存在の都市であり、世界遺産に登録されています。

この町の中心部セチューニ広場。
そしてそのシンボルの旧ガーズ.カスィム.パシャ.モスク。
中に入るとまさにモスクなのですが、キリスト教寺院なのです。

難易度1 を選んだ私たちは町の中を歩かずにトロッコバスに乗って町を散策できました。

この町は泉で溢れ、きれいな水が噴水としてあちこちで見受けられました。
ここでは自由時間もあり、夫とスーパーマーケットや
楽しそうな品物が並ぶお店を覗いたりもできました。

この町にはジョルナイ焼きのタイル工場がありました。
あのドナウの真珠と称えられるブダペストの建物を彩るタイルです。
建物の尾根や天井や内装にふんだんに使われているあの美しいタイルです。

マーチューシャ教会や工芸美術館、旧郵便貯金局、地質学研究所。
それらの建物にはハンガリーのガウディと呼ばれる建築家が
民族に根差した芸術を惜しげもなく取り入れたのです。

ペーチ、美しく高貴な印象のこの町、ペーチ。
私は一生忘れることはないでしょう!!!

ペーチを楽しんだら、船に戻ってランチです。次第にお友達もでき始めました。
We’re from Miami. What part of US are you from? と声を掛けられました。

どうやらアメリカ人に間違えられたようです。
それもそのはず、日本人はいえ、アジア人は私達だけでしたから。

食事タイムのテーブルは空いている席なら自由に選べます。
その後、マイアミからのご夫妻とディナーのテーブルでよく一緒になりました。

ランチはレストランでのフルコースとラウンジでの軽食、どちらでもOK。
少食の私たちはラウンジでスープとサンドイッチくらい。
でもレストランではどんな我がままでも聞いてくれる
(メニューにはないものでもOK)フルコースのサービスが用意されていました。

午後、2時半から6時までのやはり難易度1のツァーに出かけました。
ペーチの南西部、ヴィッツラー二―。
ハンガリーのワイン知名度を上げている有名なワインの産地。

バスで45分、どんどんと山の中へと進んでいきます。
ブドウ畑が広がるこの地方はどことなくアルプスの高原を思わせてくれました。

ワインのティストとレクチャー。
ワインセラーに入って本格的なワインを頂きました。
ひんやりとした空気もワインも美味しい。
ここで赤白のワインを4本お買い得にゲット。
ラッキー!!

横須賀に10年住んでいたというこアメリカごの夫妻と仲良くなりました。
奥様が言われるには、
「私は横須賀でプラムワイン(梅酒)を作っていたのよ、日本の豆腐や納豆も大好き」
彼女の日本の思い出話は興味深い。

船に戻り、7時からディナー。マイアミからのご夫妻と一緒の席になりました。
メニューにお勧めのコースが書いてあります。
でもどんな料理でもリクエストできるのです。
例えばパスタとか、オムレツとか。凄いです。

私たちはステーキと魚をオーダーしました。
ウェイターがそれもできるけど、
絶対に今日のお薦めメニュー、チキンをお勧めします、絶品です。
というのです。
それでメニューを変更することに。すると本当に美味しい!!
ソテーされたチキンにチェリーソースの何と美味な事でしょう。

Myrian と Daniel ご夫妻との楽しいお話が更なる美味しい味付けとなりました。
デザートはケーキ。でも、一口食べてNo thank you(パウンドケーキ)。
それでアイスクリームをお願いしました。もちろんOK。

23時アマセレーナはモハーチを出港し、
ヴコヴァルへとドナウ川を静かに進んでいくのでした。

モハーチ、ペーチ、ヴィッツラー二―。
私はこれらの町を宝石、ドナウの琥珀(美しい時を重ねた自然石)と名付けておきましょう。


まちこ先生のドナウからのらくがき② ~ブタペスト~

元日系国際線客室乗務員。現在はマナー講師として全国で活躍中。

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  まちこ先生のドナウからのらくがき② 8/21 ブタペスト


イスタンブール経由でハンガリーのブダペストに、午前9時半頃に到着しました。
アマウオーターズウェイのお迎えの方がシップ(アマセレーナ)迄お連れくださいました。

貴婦人のように美しい船、アマセレーナ。
その美しく優しい外装以上に、船内は豪華、でもフレンドリー。
船内に入ると忙しそうに働きながらも笑顔で”Good morning”と歓迎。

アマウォーターウェイズ

 アマセレーナのチェックインは午後3時ですので、
荷物を預けてブダペスト観光に出かけました。

私にとっては今回で3回目、でも夫にとっては初めてのブダペスト。
この美しいドナウの真珠と呼ばれるブダペストの町を
どうしても夫に見てほしかったのです。

Buda(王宮の丘)から Pest(市街地)を眺める美しさと、
それらを繋ぐくさり橋の威厳あるその姿を。

ドナウからのらくがき
 シップに戻って昼食と英気を養ったあと、今度は国会議事堂のツアーに。
ネットで午後2時の予約をしたので、待つこともなくスムースに参加できました。

凄い!!! 96m の高さと大きさ、純金をふんだんに使った豪華で贅沢な内装、
そして、赤い絨毯と黄金色のコラボレーションの優雅さ…。

その後欲張って聖イシュトバーン教会まで頑張りました。
聖イシュトバーンの右手が祀られている、高さ96mの壮大で厳粛な教会でした。
ハンガリーにとって、96はとても大切な数字なのです。

 船に戻るといよいよチェックインです。
手続き後、部屋に行くと荷物が届いていました。
そして、ビガートラベルサービスさんからのシャンペンも。まずは二人で乾杯。

私が少し観光を欲張りすぎたため、夫は少々お疲れ気味。
ウェルカムシャンペン、ディナーも楽しんだのですが、早々にお休みに。

夜のドナウ川イルミネーションクルーズは私だけ、お部屋からですが楽しみました。

明日の予定を確認して私も、美しいドナウの真珠、ブダペストに抱かれるように
オヤスミナサイ。

ブタペスト